後世に伝えたい、山桜の美しさ
ブラックウォールナットや楢と共に絶大な人気を誇り、現代の最高の木材の一つとして君臨している山桜。
樹木の成長過程や気候の変化により生まれた独特の紋様「さざなみ紋」は、山桜の生き様そのもの。その表情と存在感は多くの人々を魅了しています。
製材したての心材は淡い桃色をしていますが、紫外線などの影響を受けやすく、経年変化の中で濃く深い飴色に変わっていきます。その劇的な変化は、使い込むほどに風合いを増す無垢材ならではの魅力を強く実感できます。 さらに水に強く耐久性にも優れた山桜の材面は、緻密で滑らかな木肌を持ち、磨けば磨くほど美しい光沢を得ることができるのも特徴です。
また日本人の桜に対する愛着は世界でも珍しく、世界最古の小説「源氏物語」を始め頻繁に取り上げられています。桜に対する崇拝は1000年を遥かに超え、日本人の心に深く根ざし、少なくとも弥生時代か、更に昔に遡ると考えらています。 古色蒼然として、しなびた幹に咲く繊細ではかない、生命力に満ちた淡い桃色の花弁は歴史と伝統のある文化を背景に、命のもろさと美しさを体現しています。